平成15年度 東北ブロック宮城大会報告
     
日時 : 平成15年8月8日(金)〜8月9日(土)
会場 : 仙台市宮城野区 「メルパルク仙台」
行事 : 仙台七夕見物、交流会・懇親会、基調講演、シンポジウム、ITフォーラム
     
仙台七夕(平成15年8月8日)   仙台七夕 見物
仙台七夕(平成15年8月8日)   仙台七夕 見物
     
加川義邦コンサート   浅野宮城県知事による基調講演
加川義邦コンサート   浅野史郎宮城県知事による基調講演
 『支援費制度等の福祉施策の展望』
 講演内容全文を掲載しています。→こちら
     
シンポジウム   記念写真撮影
シンポジウム『活きがい対策の提言』
 講演内容全文を掲載しています。→こちら
  記念写真撮影
     
平成15年度 東北ブロック宮城大会開催される

 平成15年8月8日から8月9日の2日間、仙台市宮城野区榴ヶ岡・メルパルク仙台を会場に、平成15年度東北ブロック宮城大会が開催された。
 第一目の8月8日、お昼前後、東北各県支部からの参加者が、宮城県庁ロビーに到着。受付・昼食・オリエンテーション後、『車いすで七夕に参加する会』のボランティアの協力を得て、豪華なくす玉や華麗な吹き流しに彩られた仙台七夕まつりの見物に順次出発した。心配していた雨も降らず曇り空。青葉区の多彩な七夕飾りの華が競うアーケード街を、和紙の海をかき分けながら進み、アニメのキャラクター人形がひな壇で踊る『仕掛け物』を見たりして、七夕気分を楽しんだ。「七夕飾りがとても綺麗でした。ボランティアの方々の協力で、車いすでも、安心して見物出来ました。今度は、家族と一緒に見物したいと思います。」とのコメントも寄せられた。
 七夕見物後、メーン会場のメルパルク仙台でチェックイン、休息をして、午後6時からの交流会に参加。交流会では、『西多賀ホームページ作成』チームメンバーより、改正予定のホームページの紹介があり。この後、加川義邦さんのコンサート。秋田の某お嬢様のマジシャン。そして、カラオケを歌って楽しみ交流を深めた。
 8月9日、第二日目。朝食後8時45分大会会場に全員集合。午前9時より浅野史郎宮城県知事の基調講演。演題は『支援費制度等の福祉施策の展望』講演で浅野知事は、概略次の様なことをお話されました。
 支援費制度を話す前に、幾つかのキーワードについて述べます。
 第一のキーワードは、「人権」です。人権問題は、障害者、健常者を問わず抱えています。人権は、差別されることなく、誰もが同じ、質と量とが満たされるものでなければならない。障害を持っている人も、痴呆性のお年寄りもプライドを持っています。そのプライドを傷つけないよう、人権を守るべきです。
 次のキーワードは、「地域生活」です。障害を持つ人が地域の中で、どうの様にしたら、安定した生活が出来るか。支援費制度・介護保険制度は、これで良いのか。と言うことです。
 もう一つのキーワードは、「共生」です。共生の言葉は、障害者も健常者も共に生きると言うことで、よく使われますが、宮城県では、重症心身障害の方、比較的軽い障害の持っている方、痴呆症の方、精神障害の方等が一緒に生活出来る、共生型グループホームを10月から発足させようと思っています。
 それから、「福祉の産業化」が考えられます。今大変な不景気で、経済活動が沈滞し、消費が延びない状況下で、介護・福祉の分野が唯一延びています。
 介護事業は、サービス産業として、これからも雇用が増大します。これまで、「福祉はただ」という考えもありましたが、サービスの提供を受けるには、その対価を払わねばなりません。その対価が、支援費制度で払うのか、介護保険制度で払うのか、あるいは、自費で払うのかと言う問題があります。これらのことをキーワードに支援費制度について考えて行きたいと思います。
 支援費制度では、与えられる福祉から選ぶ福祉になった。措置から契約に変わり、自分で選ぶことが出来るようになった。問題は、支援費制度の財源は税金であること。国・地方自冶体の厳しい財政下で、支援費制度のみの増額は困難である。障害を持つ方が、地域で生活する為には、継続される支援が必要です。町村の財政が悪いから、支援費は減額する等の行為を起こさせないようにすべきです。私は、『障害者の福祉は介護保険で』と、知事仲間とシンポジウムを開いています。私の考えは、支援費制度の全部を介護保険制度に組み入れるのではない。障害者の介護と言うことでなく、基本的な生活の支援と言うことで、共通部分は介護保険制度を利用し、それを越え、介護保険に入り難い部分は、支援費制度で行う。と言う二階建て、二層構造を前提に話しています。安定的な財源がなければ、地域での生活は出来ません。高齢者のみでなく障害者も介護保険制度の中で、日本人全員が障害は、明日は我が身かも知れないと思い、保険料を納めていただく制度でありたいと考えています。――
 以上が、講演の概要です。
 引き続き、佐藤隆雄東北地方本部長の挨拶、清水博厚生労働省東北厚生局長の祝辞、来賓紹介、祝電披露の後。
 『活きがい対策の提言』のシンポジウム。駒場恒雄岩手県支部長をコーディネーターに、近野孝喜山形県支部長・今井伸枝福島県副支部長・油井祐治さん(国療西多賀病院入所)・小野圭さん(国療道川病院入所)・丸井美津子さん(国療青森病院入所)の5名のパネリストによる、体験発表を含む、活きがい対策の提言がなされ、活発な討議がなされた。
 昼食後、来春、秋田県で再会することを楽しみに大会の幕を閉じた。
会報217号掲載原稿 地方本部だより
     
浅野史郎宮城県知事による基調講演の内容全文を掲載しています。→ 『支援費制度等の福祉施策の展望』
シンポジウムの討議内容全文を掲載しています。→ 『活きがい対策の提言』
東北ブロック宮城大会の詳しい日程内容などはこちらをご覧ください。→ 『平成15年度 東北ブロック宮城大会開催要項』