〔仙台市委託事業〕医療講演会・相談会
 
日 時   令和元年9月8日(日) 13:00~16:00
会 場   独立行政法人国立病院機構 仙台西多賀病院
診療研修棟6F 大講堂
仙台市太白区鈎取本町2丁目11-11
詳しくは「仙台西多賀病院」→交通/院内案内
 
プログラム
12:30   開場・受付開始
13:00   第1部 医療講演会
講師 上住聡芳先生 (東京都健康長寿医療センター研究所)
「筋肉の脂肪化・線維化を防ぐ方法の開発
~筋ジストロフィーにおける筋変性抑制に向けて~」
  (詳しくは下記をご覧下さい。)
14:30   第2部 医療相談会・福祉相談会
医療相談:高橋俊明先生 (仙台西多賀病院 内科系診療部長)
福祉相談:相沢祐一先生 (仙台西多賀病院 医療社会事業専門職)
 相談会と並行して上住先生を交えて患者・家族の交流会を行います。
16:00   終了
◆参加費 無料
◆参加申込み 不要
◆問合せ先 宮城県患者・家族団体連絡協議会
電話:022-796-9130
受付時刻:平日 10:00~17:00
託児可能です。上記にご相談ください。
主催 一般社団法人 日本筋ジストロフィー協会 宮城県支部
共催 独立行政法人国立病院機構 仙台西多賀病院
特定非営利活動法人 宮城県患者・家族団体連絡協議会
 
講師 上住聡芳先生
東京都健康長寿医療センター研究所
演題 筋肉の脂肪化・線維化を防ぐ方法の開発
~筋ジストロフィーにおける筋変性抑制に向けて~
 筋ジストロフィーは、原因遺伝子(1)の変異(2)によって筋線維がダメージを受け続け、筋肉が衰弱していく病気です。最も患者数の多いデュシェンヌ型筋ジストロフィーを例にもう少し詳しく述べると、原因遺伝子であるジストロフィンの変異により、遺伝子の産物であるジストロフィンタンパクが筋線維の膜に発現(3)できなくなり、細胞膜が壊れやすくなり、筋線維のダメージが進行します。
 そのため、原因遺伝子のゲノム(4)上での修復や発現回復が根本治療となり、現在、ゲノム編集治療や、エクソンスキップ治療、ウイルスベクターによる遺伝子導入治療などの研究が進められています。しかし、筋ジストロフィーは進行性であり、原因遺伝子の発現を回復させるべき筋線維は繰り返すダメージにより徐々に失われ、脂肪細胞や線維性の結合組織に置き換わってしまいます。即ち、この筋肉の脂肪化や線維化を防ぎ、筋線維を保存することも筋ジストロフィー治療にはとても重要になります。
 私達は、筋肉の脂肪化・線維化を生み出す元になる間葉系前駆細胞と呼ばれる細胞を発見し、この細胞に関する研究を行っています。本講演では、現在進めている間葉系前駆細胞を標的として筋肉の脂肪化・線維化を防ぐ方法の開発について紹介したいと思います。
(1)原因遺伝子:病気の原因となる遺伝子
(2)変異:遺伝子の情報の一部が、本来あるべき情報から変化してしまうこと
(3)発現:遺伝子の情報に従ってタンパク質が作られること
(4)ゲノム:遺伝子情報のこと