2002年 新年の挨拶 東北地方本部長 佐藤 隆雄 |
|
新年あけましておめでとうございます。 時代の裂け目には鬼が出ると言います。期待をもって迎えた新世紀21世紀は、まさに時代の裂け目だったように思われます。 徳川時代の末期には、滝沢馬琴や鶴屋南北が生んだ作品の中では、妖怪が暴れたり、おびただしい数の鬼が出ました。 第二次世界大戦の時にも、鬼という表現が、我が国でも、対戦国でもなされました。時代の裂け目の鬼は、不安と不信、そして不満を醸し出します。 新世紀の始めも、不安・不信の時代なのかもしれません。金融不安・雇用不安・テロや食品への不安、経営不安・健康不安・老後への不安、人間不信・政治不信等々です。 しかし、私達患者・家族は日々身体の筋力が劣えていく不安・死に対する恐怖・不安と毎日直面し、その不安と闘ってきているのです。 協会も、難病を抱えた子供達を何とかしようと、ひと握りの親達が藁をもつかむ思いで、何かをしなければならないという切羽詰った状態で、親の会を結成し "一日も早く" を合い言葉に世論をゆさぶり、国を動かして来たのです。そして、患者自身も不安を乗り越えて、周りの人達に笑顔の大切さを伝える。感動することによって、生きる力を与えることをしているのです。私は会社経営をしています。ある全国組織の経営者の勉強会に入っており、時折講演依頼をされます。 その時、必ずといっていいほど、上浩司さんのCD "君の笑顔" と大久保義人さんの "ぼくの青空" を紹介させていただいております。 どんなに辛くとも生きることをあきらめない、笑顔こそ心を和ませ活力の源泉になる。ということを伝えております。皆、心が洗われ、涙を流します。 "不" の時代だからこそ人の痛みが分かるのかも知れませんが、不安を乗り越えた前向きの生き方、周りの人達への思いやりが、経営者に元気を与えることだけは間違いないようです。 本年も宜しくお願い申し上げます。 |
|
(「一日も早く」より抜粋) |